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【コロナ】3月からの一斉休校の功績

社会

こんにちは。
ふわぽりー(@FuwaPoly)です。

2020年2月27日に同年3月2日からの一斉休校”要請”が出されました。
表現は要請ですが実際は全国の学校が休校となりました。

この投稿を書いている2020年7月現在の状況から見て一斉休校がどれほど効果があったのかを考えてみたいと思います。

そもそも新型コロナウィルスCovid-19とは

私は勤め先で感染症予防担当をしています。

今は少し落ち着きましたが緊急事態宣言以前から毎日のように県や国、業界団体からのコロナ感染症対策に関連するメールが山のように届きそれを読むだけで就業時間が圧迫されました。

その甲斐もあって一部報道にあったような見当違いな見解にも惑わされることなく対策を行うことができ勤め先では今の所、感染者は確認されていません。

そんな中、同級生たちとオンライン飲み会を行う機会がありました。
昔から付き合いのあるメンバーばかりですが、医師と看護師が一人ずついました。

当然のように新型コロナウィルス感染症の話題になりました。

私の認識が一定の根拠(エビデンス)があるかどうかを二人の医療従事者に問いました。

新型コロナウィルスの脅威「弱毒性と強い感染力」

まずは新型コロナウィルスの性質。

弱毒性であるが感染力が強いという認識でいいのかな?
という確認すると友人の医師は「そのとおり」と。

強毒性のウィルスや細菌は確かに脅威ですが、文字通り毒性が強すぎて感染者をすぐに行動不能、最悪の場合は死に至らしめてしまいます。

感染者の行動力が低下を著しく低下させる感染症は他者との接触機会が減ってうつす可能性が低くなります。

一方、新型コロナウィルスは毒性自体はそれほど高くありません。
ここが「インフルエンザと大して変わらない」と言われる理由です。

次に感染力が強いことです。
これもインフルエンザと大して変わらない性質です。
毒性が弱いから感染者は日常生活に支障をきたす人が少なく、あちらこちらへ移動し人と接触します。
そして感染者を増やします。

しかも肺炎を罹患する可能性があります。
厚労省によると肺炎は日本人の死因6.9%で第5位です。
6.9%という数字だけを見るとあまり高くないように思えますが、死に至る可能性がある病気なのは間違いないようです。

厚労省も高血圧や糖尿病などの基礎疾患をもつ人は特に気をつけるよう注意を促しています。

肺炎はもともと後遺症を伴うこともあり恐ろしい病気ですが、年齢が高くなるほど肺炎の脅威は上がっていきます。

肺炎による死亡率は年齢とともに高くなっていきます。

新型コロナウィルス脅威「治療法が確立されていない」

では新型コロナウィルスCovid-19の何が一番恐ろしいのか。

簡単な話でワクチンも治療薬も完成していないことです。

この記事を書いている段階では新型コロナウィルスCovid-19のワクチンは流通していません。
特効薬もまだのようです。

これがインフルエンザと同じと考えてはいけないところです。

ちょうど100年ほど前にパンデミックを起こしたスペイン風邪はH1N1、つまりインフルエンザです。

1918年は戦時中で正確な数字はありませんが、当時の世界人口の1/3にもおよぶ5億人ほどが感染し、1,700万人以上(1億人という説もあり)が亡くなられました。

しかし、現在の先進国ではインフルエンザの治療薬が流通しているので100年前ほどの大惨事に至る可能性は当時よりも低いと考えてよいと思います。

では100年前のスペイン風邪の流行と今の新型コロナウィルスCovid-19の状況はどこが違うでしょうか。

世界大戦の最中でもありませんし、衛生レベルや知識も100年前とは比べ物にならないほど向上していると思います。

しかし新型コロナウィルスCovid-19のワクチンもまだ確立された治療法もありません。
この点においては100年前のスペイン風邪と何ら状況変わりはありません。

一斉休校が果たした最も大きな功績

前置きが随分と長くなってしまいましたが、一斉休校の効果について考えてみたいと思います。

政府は2月27日に3月2日からの一斉休校を要請し、全国の学校が要請に従いました。
歴史に「たられば」はありませんが、もし3月に一斉休校が行われていなかったらどうなっていたでしょうか?

  1. そんなに大した症状じゃない、むしろインフルエンザより軽いのでは?と勘違い
  2. 学校でコロナがインフルエンザと同じように流行る
  3. 保護者や教員が感染
  4. 欧米のようなパンデミックに陥る

1.そんなに大した症状じゃない、むしろインフルエンザより軽いのでは?と勘違い

相対的に基礎疾患を持つ人口の少ない児童・生徒・学生などの若い人たちは「なーんだ、ただの風邪じゃん」と感じる人も出たでしょう…というか今でもいるようですが。

残念ながら先述したとおり、新型コロナウィルスは弱毒性なのである意味ではその認識自体は一部あっています。
それどころか感染者しているけど症状の出ていない無症状キャリアまで確認されています。

軽症や無症状の子どもたちを見て、大人たちも
「騒いでるほど大した病気じゃない」
と認識したと思います。

これは第一印象の重大さ、というか「すり込み」と言っても過言ではないかもしれませんね。

最初に得た印象を大きく変えるのは本当に難しいことです。
第一印象はそれほどインパクトが強く、根付いてしまいます。
認識を改めるにはその脅威に自らがさらされた時でしょう。
そのときには今以上に日本中がコロナ感染者であふれていたでしょう。

2.学校でコロナがインフルエンザと同じように流行る

新型コロナウィルス感染症が「大した病気じゃない」と認識された場合、学級もしくは学年、学校全体を巻き込んだ集団感染を引き起こしたかもしれません。

それでも現在、持たれているような脅威を感じなかったと想像されます。

なぜなら子どもたちは一般的な風邪症候群と同じような症状、もしくはそれ以下のつらさしか感じない場合が多くあります。

そんな軽症にしかならない病気に「感染力がめちゃ強いから気をつけて!」と言ったところで教育関係者はおろか、保護者も耳を傾けなかったかもしれません。

その結果、マスクや手洗いなどの基本的な感染症対策を現在ほど重視されず、各地の学校で大量のクラスターが発生したことでしょう。

しかも、とても静かに、確実に、そして急速に。

3.保護者や教員が次々と感染

学校は何も子どもたちだけが出入りするところではありません。
教員など学校で働く人も多くいます。

教育関係者は当然、全員大人なので若い人たち年齢も高し、基礎疾患をもっている可能性も高いでしょう。

「どうやら”流行り風邪”を子どもからもらったらしい」

程度にしか認識せず、職業使命に燃えて教壇に立つ教育関係者もいたでしょう。

保護者も同様です。
ノロウィルスやO-157などの食中毒を引き起こすウィルスや細菌に比べれば「インフルエンザ以下の風邪」程度だと誤認したと思います。
保護者も軽症や無症状の子どもからウィルスをもらい感染します。

保護者は子どもたちより開けた社会を行き来し生活をしています。
保護者の中には高齢者と生活をともにする人もいれば、高齢者や体調の良くない人と接する仕事をする人もいます。

4.欧米のようなパンデミックに陥る

 

全国一斉休校がなかったら1~3を経て知らず識らずに欧米と同じようなパンデミックに陥っていたかもしれません。

大変な病気だと気づいたときには時既に遅しで、小康状態にすることもできないまま、医療崩壊を起こしていたでしょう。

結果的に防がれた医療崩壊

医療崩壊とは何もコロナに感染した人が病院で診てもらえないことばかりをいうわけでないことも記したいと思います。

今でもそうですが、医療機関はコロナだけと戦っているわけではないのです。
救急で運ばれてくる人もいれば、入院し続けている人、手術が必要な人、様々な傷病で医療を必要としている人が常にいます。

そういった「平時には救える命まで救えなくなってしまう」ことが本当の医療崩壊だと私は思います。
実際にNewweekにこのような報道があります。

英国では、国営の国民保健サービス(NHS)が、2020年4月15日から少なくとも3ヶ月間、緊急性の低い予定手術を中止するよう通達を出し、これまでに、3万6000件のがん手術を含め、51万6000件の手術が中止された。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/05/2840.php

全国一斉休校が成し遂げた成果は
「コロナを第一印象で恐ろしい病気だと国民に印象づけたこと」
だと言えます。

その結果、医療崩壊に至らず
「救える命をしっかり救ったこと」
「日本全体ができるだけコロナに感染しないようにすること」
だったのではないでしょうか。

加えてコロナ感染者が大量発生したときに備える準備期間を得れたこと。

日本にはインフルエンザ特措法などの感染症法があります。
行政に対する批判は止むことはなく続くでしょう。
しかし、結果的に欧米のような第一次ピークに至らないように制限の厳しい中、法を最大限に運用し、医療崩壊を防ぎました。

繰り返しますが歴史に「たられば」はありません。

「政治は結果がすべて」という言葉からすると、
日本に「コロナは恐ろしい病気」だとしっかりと植え付け、救える命をしっかりと救うことができた。

それこそが一斉休校の最大の功績と成果だと私は考えています。

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